駅前に他にあまり並ばない、旬の野菜・山菜を扱う青果店があり、密かな楽しみにしています。
10月初めに今度はこれを見つけました。
菱(ヒシ)は池や沼に自生する水草で、秋にツノが生えたような実が熟します。
故郷新潟の幼少時、この茹でた実を食べた記憶があります。1960年代頃のことです。
▼ 幼少時に食べた菱(今回の菱と形が異なります)
*忍者のマキビシや鉄ビシ・・元々はこの菱を使用していたとのこと。
かつては全国ところどころの湖や沼地で見られたこの菱は、今では存在すらあまり知られていないようです。
食材としては今回、入手した福岡産のように、福岡、佐賀など九州の一部で栽培され出荷されています。
目にすることすらなかったレアな菱の実を、素朴に味わった実際をご紹介します。
注1)ヒシ Trapa japonica Flerov (ヒシ科 ヒシ属) 岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 旧植物生態研究室(波田研)ホームページ 2022年10月10日
注2)ヒシの実/菱の実/ひしの実 旬の食材百科 2022年10月10日
注3)新潟市 潟のデジタル博物館 新潟市環境部環境政策課 2022年10月10日
注3)潟の恵み・食について 丸山久子/食文化・郷土食研究家 2022年10月10日
注2)ヒシの実/菱の実/ひしの実 旬の食材百科 2022年10月10日
注3)新潟市 潟のデジタル博物館 新潟市環境部環境政策課 2022年10月10日
注3)潟の恵み・食について 丸山久子/食文化・郷土食研究家 2022年10月10日
菱が自生した ”潟(かた)”
古くからの農村地帯であった実家周辺には、潟(かた)とか、谷地(やち)と呼ばれた湿原が散在していました。
新潟にも「潟」の文字が入っていますが、実家の住所地名含め、周辺には「潟」の付いた地名が多く存在します。
鳥屋野潟(とやのがた)、鍋潟(なべがた)、長潟(ながた)、丸潟(まるがた)、泥潟(どろがた)等々・・
1970年代になると、新潟の実家近くにあった比較的面積の小さい潟は次第に無くなっていきました。
しかし例えば、鳥屋野潟などは自然環境や生活、文化を保存・整備し、自然公園として管理されているようです。
足を伸ばせば、福島潟や佐潟など、同様に潟の自然と歴史を保護しつつ交流の場にされている潟が多くあります。
▼ 福島潟
故郷を後にして早や40年以上・・ 今の潟の様子はネットで知る限りですが、地名の響きに懐かしさを感じます。
小さい頃見た潟が今どのようになっているのか?是非、訪れて見てみたいものです。
▼ 幼少時に食べた潟の菱
茹でて食べる
● 洗って2時間以上、水に入れてアク抜きです
● 2~3% の塩を加え、約25分茹でます
● ザルにあげ、水を切ったら、水で冷やします
だい鉄
堅い皮を剥きやすくするため、ある程度水に浸します。
冷たくなると皮が固くなり剥けにくくなるので、手でいじれる程度に冷まします。
出刃で角の無い面を切り、その後、両側を皮だけ切り、剥きやすくします。
それでも皮は固く、皮むきがこの調理の最大の難所です。
参考サイトにあったように親指の爪が痛くなりました・・(TT)
● 何とか皮を剥き終えた菱の実です
◆ 剥きたてはほのかなホクホク感~
◆ そう・・栗とクワイを足して割ったような食感とお味
素朴な味わいです・・
◆ そう・・栗とクワイを足して割ったような食感とお味
素朴な味わいです・・
だい鉄
畑の野菜ではない、まして海で採れるものでもない、やはり淡水系の産物・・
付録:潟の生き物
▼ 白鳥
▼ カモ
▼ オオヒシクイ
▼ オオタカ
▼ ニホンウナギ
▼ ハス
▼ オニバス
▼ コウホネ
▼ ミズアオイ
▼ ヨシ
そして、下は昔のご先祖の潟での稲刈りの風景。相当、肥沃な土地であったことが分かります。
水に浸かっての収穫は今では考えられません。刈り取った稲の運搬に舟を使っていました。
子供の頃、その木の舟で舟遊びに興じた想い出もあります。
今年もまもなくシベリアから冬の使者が飛来し、収獲を終えた田に舞い降りてくるのでしょう。
ご当地食材 ひしの実 販売合計約2キログラム 2022年販売開始します
▼ 産直の美味しい食材はこちらから!
50代半ばに中出刃を求め、指南書に従い魚を捌き食していますが、旬の食膳は美味しいし、財布にも優しい。魚を追う内に四季折々の野菜や山菜も気になり、故郷新潟の畑を思い出し売り場を眺めます。本来、魚は釣り、野菜は畑で収穫し、山菜採りに山に入ればよいのでしょうが、今出来る方法で入手しています。