つくって活かす小さな仕合わせ

新潟弁「た」行

実家・昔の稲刈り新潟弁
実家の田 収穫後白鳥と

▲新潟の実家・収穫後の田には毎年、白鳥が飛来し、落穂などをついばんでいます。

新潟県も広く、ここで記載の新潟弁は下越・現新潟市江南区の亀田、横越あたりの方言で、私・卒業店長がこどもの頃に親しんだ言い回しです。当時の農村生活に根差した土着の言葉も含まれているため、都会化された現在の同じ地域でも全く通じないこともままあると思われます。

 


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「た」行

黄色いマーカー部 → 「新潟弁:いわゆる標準語で記載したその意味」
(例):使用例です。
(対):対となる言葉です。
(類):(対)と少し重なる部分もありますが、同列の似通った言葉です。
*「コメント」として一部にさらなる解説やエピソード等も追記しました。


たがく:持つ 所有する
(例)米俵をたがいて車に載せる:米俵を持って車に載せる
   あのしょぜんいっぺことたげったみてら:あの人はお金をいっぱい持っているようだ
だすけ:だから
(例)いとしげだすけはよ嫁いった:美人だから早く嫁に行った
(類)だすけれ・らすけ・らっけ=だすけ
たた:お母さん
(類)かか=たた
だっちゃかね:だらしない ぶざまな様子
(例)年とってだっちゃかねぇなった:年をとって、(体が言うことを効かず)ぶざまになった
だっちょもね:くだらない ろくでもない
(例)だっちょもね話ばっかしてんな:くだらない話ばかりするな
(類)だっちくたもね=だっちょもね
だってか:さほど
(例)だってか飲んでねんで酔っぱろた:さほど飲んでいないのに酔っ払った
たまな(玉菜):キャベツ
たもぎ:刈り取った稲を木に渡した竹に掛けて干す(はさ掛け)際、その木の枝に付いた
白い硬めの綿のような脂(あぶら)のこと(=たもぎあぶら)

小学生の頃、たもぎあぶらを集めて売り、少しの小遣いを得ていた記憶があります。


たらかす:だます
(例)おめさんたらかされたんらがね:あなた、だまされたんだよ
だらこく:激しく泣く 言うことを聞かず泣く
(例)だらこいてばっかいる:言うことを聞かないで泣いてばっかりいる
たらず(足らず):間抜けな人 馬鹿
(例)たらずが~:(あの)馬鹿が~
たれこち:漏れそう
(例)しょんべがたれこち:小便が漏れそう

中学校の英語の先生曰く:「たれこち」は「垂れる心地(ここち)がする」転じて「垂れ心地」→「たれこち」となったと言っていました(^^)

たんきの実:雪椿(ゆきつばき)の実
(類)たんき油:椿油

雪椿(ゆきつばき)は日本海沿いで見られる椿で新潟県の県木に指定されています。(新潟出身の小林幸子さんの唄にも「雪椿」があります。)「たんき」と単独で言うことはあまり無かったと思います。
「たんきの実」の思い出は笛を作ったこと。実が割れて出た種の先をコンクリートで削り穴を開けます。穴から釘を差し込み、中(油)を出して乾かします。穴に唇を添えて吹くとピーと鳴ります。
椿油は伊豆大島が有名ですが、「たんき油」を集めて売れば少しのお金になったという記憶もあります。ただ手間がかかり、前述の「たもぎあぶら」のように実際にお金を得るまでには至らなかったようです。
(▼雪椿)
雪椿
実家の蔵の前に雪椿(ゆきつばき)の木がありました。冬にはその枝・葉に雪をたわわに乗せて赤く咲く様が今でも目に浮かびます。みぞれまじりの手がかじかむような寒さの中、ひっそりと咲くけなげな姿に子供ながらに美しさ感じていました。


だんじらご:鳥の生まれたての赤ちゃん
たんなか:田 田んぼ
たんね:(頭が)足りない まぬけ アホ

ちさご:小さい子 小さい人
ちだりまっか:(目が)充血している様子
ちと:少し
(対)いっぺ:沢山 (類)ちとばか=ちと
ちゃがらあけ ちゃがらけ:茶殻入れ (茶こぼし)

「あける」は「(何かを)捨てる」という意味に使われ、「茶殻あけ」は出なくなった急須の中のお茶っ葉を捨てる、主に鉄でできた入れ物(茶殻入れ)で、子供の頃、茶の間の祖父と父の座る場所の間に茶筒や湯呑み入れと共に置いてありました。客人にお茶を入れて出すのは主人である祖父や父の役割。何度かお茶を入れて出なくなったらお茶っ葉を茶殻あけに捨てる、そして急須に新しいお茶の葉を入れる・・ゆっくり静かな時間が流れていました。


ちゃんちゃん:座る(正座する)様
(例)ちゃんちゃんしていいこちゃんにしろ!:(ちゃんと)座っていい子にしていろ!
ちょうき:ちゅうき(中気・中風~脳卒中)
(例)ちょうきじじ:中気を患ったおじいさん
ちょうけん:じゃんけん

「じゃんけんぽん!」は「ちょうけんイェッス!」でした。「あいこでしょ!」は無く、あいこになった時は、ひたすら「ちょうけんイェッス!」を繰り返していたように思います。・・でも母(横越村出身)は「あいこでしょ!」のことを「ユイヤーイェッス!」と教えてくれた記憶もあります。


ちょうはん:朝はん 朝ごはん
(類)昼(ちゅう)はん:昼ごはん ようはん:夕ごはん
ちょくる:(釣りで)あたりが来る 浮きがピクピク動く
(例)ちょくった:あたりが来た

転じて、「期待したことが起こる気配がする」という言い回しとなる場合も。逆に「ちょくらない」とは、「期待したことが起こる気配が(全く)ない」という意味にも。例えば、私の大学入試結果発表の際、受験した大学はみな東京の大学でしたが、新潟から発表を見に来た今は亡き父が、合格発表の掲示板にことごとく受験番号がなかった結果に、「ちょくりもしなかった・・」と嘆いた・・ そんな苦い想い出があります(^^;

ちょしぼっこす:いじくり回して壊す
ちょす:さわる
(例)それあぶなねっすけちょすな:それ危ないからさわるな
ちょろける:(ふざける)(おどける)
直訳が難しいです(^^; コメディアンが笑いを取るため、ドタバタ~ちょこまかした動作をすること・・ 子供の頃、母が確か?「8時だヨ!全員集合」を見て、(特に加藤茶・志村けんがドタバタ等するのを見て)「またちょろけが出てきた」などと言っていました(^^)

つぎ:布

裁縫で「つぎはぎ」という言葉があり、関連しているのだと思います。因みに、面子(めんこ)遊び(・・「パッチ」と呼んでいましたが)の技(ポイントとなる、つまり勝つ方法)の一つに「つぎ」がありました。自分の面子で相手の面子を裏返す以外にも、相手の面子の下に差し入れた状態にしても相手の面子を奪い取ることが出来ました。この「つぎ」は双方の面子が重なることから、「つぎはぎ」と語源が同じかも知れません。或いは「骨つぎ」という言葉のように「つぎ・つぐ」とは「つなぐ・くっつける」という意味で、「つぎ」は破れた服などを繕うあて布のことで、総じて布を「つぎ」と呼んだのかも知れません。


つぎもん(つぎもの):裁縫

関連する話ですが、昔は破れたり痛んだりした衣服は布(つぎ)をあてがい縫い込んで(繕って・つくろって)、繰り返し修繕しながら大事に着用しました。つぎもんはそうした繕い(つくろい)の作業のこと。裁縫のこと。ただ今の裁縫が新規の衣服・衣料などを作ることまでカバーしているに対し、つぎもんは修繕の意味合いで使っていたのだろうと感じます。


つっとす:突き通す
つとた:電気が伝わった (→ 感電した)
でぇごし:あぐら
(例)でぇごしかいて座る:あぐらかいて座る
でぇろこ:台所
~てがね ~てがに:~なのに
(例)やっと卒業したてがね就職が決まらね:やっと(学校を)卒業したのに就職が決まらない
てずから:おのずと 自然に
てのげ:手ぬぐい
でぶ:額
(例)でぶがっとねぶってしもた:額を強くぶっつけてしまった
てれこき:恥ずかしがり屋
てんぽ:嘘
(例)てんぽこき:嘘つき
でんぐるま:肩車

どういん?:どういうこと?
(例)結婚記念日忘れてしょもたって、どういん?:結婚記念日を忘れてしまったって、どういうこと?
どうしょば:どうしょう
(例)財布落としてしもた・・どうしょば:財布を落としてしまった・・どうしよう
どうれも:多分 恐らく
(例)どうれもこうこがいいあんべにつこったこさ:多分、たくあんが良い塩梅に漬かっているでしょう
どっつり:沢山(がっつり)
(例)昨日どっつり飲んだんすけ、今日は飲みなさんな:昨晩沢山(酒を)飲んだのだから、今夜は飲まないで
とまぐち:玄関
どんげ:どんなに
(例)どんげいてかったことか:どんなに痛かったことか

万代橋

▲於新潟市 信濃川にかかる万代橋 ・・新潟地震でも橋桁は崩れませんでした。



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